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麻の布や服を扱うようになって気づいたのは、麻にまつわる様々なバイアスが存在することでした。
ご存知のように大麻取締法を戦後GHQから強制された政府はあまり乗り気でなかったようですが、渋々と従うしかなかったわけです。
日本に限らず、世界が大麻から採取するマリファナを禁止する流れとなりました。
これはよく言われるように、石油業界の圧力である、というのはまったくの事実だと思いますが、ことはそんなに単純でもないような気がします。
麻から燃料が取れる、プラスティックよりも高度な素材が作れる、プラスティックどころかどの素材とも理想的に交じるので、夢の素材ができる、、これは本当のことだと思います。
また、医薬面でもマリファナの有効利用はじめ、麻から他の医薬品開発の可能性が非常に大きいこと。
さらに石油をしのぐ生産性と石油に十分に太刀打ちできる燃料としての可能性など、麻の利点をあげたらキリがないほどです。
とくに衣類における麻の特徴は、単に衣類の枠を越えて精神性や霊性の開花とも関係すると言われます。実際に麻の一枚布をまとった瞑想会を何度か行いましたが、参加者のほとんどの感性は研ぎ澄まされ、不思議な霊的体験まで起こるようなこともありました。
まあ、偶然かもしれませんが、麻をまとうだけで心や体感が落ち着くことは確かです。
昔は大麻からご神事につかう縄や布を作ったというのも、うなづけるような気持ちになりますが、それは何も大麻だけの特徴ではなく、麻全般においてのものだと私は思います。
燃料となる油も、他の素材と混ぜ輪せて強固な素材を作るのも、また医薬品においても、大麻以外からはマリファナこそ採取されませんが、すぐれた医薬品への可能性は大麻に限らず、麻全般の特徴だと思うのです。
大麻以外の麻も燃料になり、服になり、医薬品になります。大差ありません。
しかし、私たちが麻について調べていくと、決まって大麻が最高のもの、、、という方向に行き着きます。
そこで大麻の歴史を調べてみますと、確かに特別視されたようです。なぜなら、種を大事にもって来て、畑を作り、丁寧に育てたのが大麻だったからです。
他の麻はほったらかし、、、ほったらかしておけば、年に何度でも採ろうと思えば取れました。
年に5回も収穫できる麻もあります。大麻もそうですが、それ以上の麻も同様かそれ以上なのです。
なぜ大麻だけが種を扱い、畑を作り、人間に管理された形で作られたのでしょう。
他の麻よりもしかしたら弱いからではないでしょうか。強ければどんなに放っておいても、いくら大麻法が力を効かせても、なくなるはずはありません。
大麻は管理され、畑から作られたので、それだけ特別とも言えるかもしれませんが、制御もしやすかったのです。
本当の生命力が大麻にあったなら、今でもそこいら中に大麻が育っていた可能性が高いです。
実は苧麻と言われて、どちらかというとバカにされている麻は、実はそうなんです。イラクサと呼ばれ、日本中、どこにでも生えています。
草刈機で何度刈ってもすぐに生えてくるのが、イラクサです。私は草刈の意外な名人で、1000坪程度なら一日できれいに刈り取ります。
夏になって草刈ばかりしていたことがありますが、敵はイラクサです。カヤもありましたが、カヤの伸びよりイラクサの伸びはすごいもので、イラクサのしぶとさには閉口しました。
このイラクサから取れるのが、苧麻という麻なんです。苧麻は日本名ではないと思います。おそらく中国の言葉に当てはめたのではないでしょうか。本当はちよ麻と言われていたようです。
ちよま、、が、ちょまとなり、漢字の苧麻があてがわれたようです。
ラミーと呼ばれる麻のことです。これは雑草と思われているイラクサから取れるのです。
大麻の特性は本当に素晴らしいのですが、では、他の麻、、例えば、もっとも一般的な苧麻にはそれはないのでしょうか。あるのです。ほとんど変わらないのです。
大麻だけが特別というのは、多少おかしな話しになります。神事に使われた清らかな糸や布、、、は確かに大麻だったでしょう。
だから貴重で大切なもの、、、というのもよくわかりますが、もう少し、ご神事のことは置いておいて、一般の人間と麻との関係に戻して見た場合、実は大麻に苧麻は劣るどころか、匹敵し、それ以上の良質な面を見せることになります。
誤解ないように言っておきますが、大麻が悪いと言っているのではありません。それだけが特別な麻、、という考えにバイアスが入っているという話しをさせていただいているのです。
苧麻もそうですが、もう一方の雄、リネンも同様です。リネンも素晴らしい繊維であり布となります。
リネンすなわち亜麻や苧麻の一枚布をかぶって瞑想した場合、どちらが優れているか、、、まったくわかりません。どちらも同じだと思います。大麻も本当は同じだと思います。
大麻は繊維が短いので、実は布にしたり、服にするのに、不便な面があるのです。そのため、麻の代表格はリネンであり、亜麻で、歴史ももっとも古いと言われます。
あと、歴史に残っていないかもしれませんが、さらに苧麻はもっと古くからあったように、私は勝手に思っています。
空気、水、塩、、、人が生きる場所に欠かせないものです。これらを管理し、独り占めできたら、人間を支配できます。
為政者は常に人にとって必要なものを管理し、自分の支配下に置いておきたいと思ったのではないでしょうか。
そうでなければ、塩が管理されることなどあるわけがありません。つい最近まで塩は勝手に作ったら違法だったのです。そんな馬鹿な、、、と思ってしまいますが、先日はアメリカにおいて、家庭菜園が違法になるという馬鹿らしい事態が起きています。
人が生きることを阻害し、国や力ある者に頼らない限り生きられないようにする、、、、それが、残念ながらこれまでの圧力の歴史でした。
空気を汚せば空気を売れるでしょう。水を汚せば水を売れるでしょう。そこまで考えているとは言いませんが、そうした方向に行っていることは事実です。
なぜなら、塩でさえ管理しようとした体質なのですから、、、、国家神道が誤った道をすすみ、太平洋戦争を起こした歴史もありましたが、その大本になる額田王以前の政治にも、そうした民衆支配の構造が見て取れます。
言葉を統一し、あいうえおかきくけこさしす、、、と母音と子音を組み合わせた48音にも、そうした基本の構造があったかもしれません。
日本語には母音が残されたので、本当の意味で深い種が日本語音声に残されたのですが、それは意図的なものだったと思います。
同様に、意図的に民意を支配する形のものもきっとあったように思います。
水、空気、塩、、、、、そして次に麻が来たとしてもおかしくないほど、麻は重要です。
あらゆる燃料の問題、衣服の問題、これは後で語りますが、吸引化されたエネルギーを得る問題など、本当に重要なものに答えを出す力が麻にあるからです。
そして本当の麻が大麻というよりも、麻であり、植物であったのでしょうが、それをあえて大麻という形にしたら、それは麻の可能性を閉じ込めることに為政者が成功することを意味していたのです。
もちろん、私の推測にしかすぎませんが、大麻は常に管理されて存在した麻です。本当の麻、亜麻やとくにイラクサはほったらかしで、管理などできない強い生命力があるのです。
大麻を取り締まれば、大麻こそ最高の麻、、、と思えば、本当は可能性のある、ほうっておいても勝手に伸びてしまう苧麻を無視することが可能になります。
人々を麻から遠ざけるには、大麻が最高という信仰があると便利なのです。
大麻は畑から、、、苧麻は自生、、、服を作りたい民衆は当然自生しているイラクサから服や布を作りました。
なので、麻の歴史はイラクサから始まるのが、日本の麻の歴史です。
ヒエラルキーが生じることで、特別なものが出てきます。大麻に私はその匂いをどうしても感じてしまうのです。
宮古に一反3000万円する布があります。それはイラクサから作った麻の布です。
麻自体はそこらに自生するイラクサですが、その製法の過程において、膨大な人の手と思いが入って価値が出てくるのです。
物が重要なのではなく、イラクサに思いと手間がかかることで高価になっていく構造を見ると、それが本当に価値あるものだと私は感じます。
どこにでもあり、ありふれたイラクサだからこそできる世界。
もっとも簡単な安い服もイラクサからでき、同じイラクサに手をかけ思いをかけることで、最高の布にもなっていく。この価値は公平ですし本物です。
種を買う、、、畑を作る、、、特別な栽培を行う、、、
それはむしろ急時代の価値観です。大麻にそうした特権を与えることで、本当の麻を隠せるのです。
だから多くの人は、リネンよりも、まして苧麻なんかよりも、ずっと大麻がすごいと思っています。
しかし、それは間違っていると思います。
リネンも苧麻も大麻もすべて麻で非常に優れているのです。もっと言えば、麻だけでなく、植物利用のほうがずっと新しい時代適正があるということです。
大麻からはオイルが取れますが、実はイラクサからは、大変なものが取れます。
ギ酸です。イラクサの針の部分に大変な量のギ酸が含まれています。あと、数年もしたら、イラクサはきっと水素エネルギーのホープになっていることでしょう。
ギ酸は化学式がHCOOHで、そこからCO2を除去したら簡単に水素が取れるのです。
水素エネルギーの問題点は水素をどのようにして安定的に採取するかにつきます。安全で携帯が可能で危険がないのは、ギ酸にして運搬することです。
そして使用する際にギ酸からCO2を除いて酸素にし、あまったらまたギ酸に戻して持ちかえればよいだけ。
水素乾電池のようなものがギ酸ならできるはずです。そしてギ酸は麻、イラクサから十分な量が取れるのです。
人が病気になると、その近くに必ず、その病を治す草が生えているといいます。漢方学の重要な視点だということです。
水、空気、そしてイラクサ、、人がいるところに必ずあるのです。そして水素エネルギー時代の到来に合わせて、イラクサが麻として登場してくることを私は感じますし、人の偏見の怖さをイラクサは私に教えてくれました。
生きることは簡単でなければおかしいのです。水、空気、草、、、、私たちは身近にあるものを大切に利用すれば、きっと素晴らしい時代が到来する、、、その入り口に立っていると思います。
その時、何か特別なものがあるとか、あれさえあれば、、、というような考えが本当に邪魔になると思います。
大体、物にはどんな物にも、本当は何の力もないのですから。あくまで意識からしかエネルギーも創造もありません。
ただ、その意識に進むお膳立ての条件付けが、特別なものではなく、ありふれた、自然の中にあるものであるとき、時代は自由で楽しく、発展していくのだと思います。
私はこれからも、麻を、苧麻やリネン、そしてヘンプももちろん含む麻を、新たな時代の条件付けとして扱っていきたいと思っています。
チューナーファッションから始まった麻の服から、本当に色々なことを教わりました。
空気、、、水、、、音、、、、草、、、私たちを取り巻く命であり、その振動は私たちの意識に届いていきます。
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